かき・カキ・甘柿・干し柿
栄養豊富・薬効がたっぷりの秋の味覚
かき・カキ・甘柿・干し柿 身体に効く栄養成分・食材・調理方法
◆プロビタミンCとビタミンAが豊富
栄養面での特徴は、ビタミンCが豊富なことでしょう。
正確にいえば、プロビタミンCという、ビタミンCの前駆物質で、
これが100g中1gも含まれています。
プロビタミンCは体内に吸収されるとビタミンCとなって働きます。
大きめの柿なら、1個食べるだけで、ほぼ1日のCの必要量を満たします。
また、ほかのくだものには少ない、ビタミンAも多く、とくに干し柿の
場合だと、生のものの2倍もAが含まれています。ただし、干し柿にすると、
Cは失われてしまいます。
◆食べ方のヒント
そのまま食べるのがいちばんおいしい食べ方ですが、なますやサラダに加えたり、
あえ物にしてもおつなものです。若葉はおひたし、ごまあえ、てんぷらなどに利用
できます。
また、白菜の漬け物に、柿の皮をいっしょに漬けると、甘みのあるおいしい
白菜漬けができます。
柿には多くの品種がありますが、旬はどれでもだいたい10~11月です。
甘柿の王様は富有柿で、次郎柿がそれにつぎます。
◆お買い物・材料選びのポイント
渋柿の代表は平たくて種のない平核無柿(ヒラタネナシ)や、細長く先端のとがった
蜂屋柿などです。
おいしい柿の見分け方は、皮の色とつや、張りに注目します。
実はかためで、ヘたも緑色で、しっかりついているものなら安心です。干し柿は、
表面に白い粉のふいているものを選びましょう。
◆二日酔いの防止や、かぜの予防に抜群の効果
昔から、「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、柿は健康食品として
すぐれた薬効を発揮します。
まず有名なところでは、二日酔いの防止。これは、柿に酒の酔いをさます働きが
あるからで、お酒を飲む前に 生の柿を1~2個食べて おくと、悪酔いを防ぎます。
二日酔いで気分のすぐれないときも、よく熟した甘柿を1個食べると、アルコールが
抜けて気分がスッキリします。ビタミンCが肝臓の働きを助け、解毒を促すからでしょう。
ただし、Cの乏しい干し柿では効果はありません。
乗りもの酔いにも、柿を食べるといいといわれます。
◆治す・防ぐ
二日酔い、風邪、夜尿症、高血圧、やけど、かぶれ、しもやけ、痔、虫刺され、歯痛など
晩秋、木枯らしが吹き始めるころ、柿は最盛期を迎えます。このころはかぜをひきやすい
時期でもありますが、 毎日柿を食べていれば、かぜの予防になります。
これは、ビタミンCやAが、ウイルスに対する抵抗力を高め、のどなどの粘膜を強くして
くれるからです。ただし食べすぎると、かえって害になることがあるので、注意してください。
とくに空腹時にたくさん食べると、消化不良をおこしたり、便秘の原因になったりします
ので1日に1~2個が 適量です。
また、タンニンが体内で鉄と結合して、鉄分の吸収を妨げますので、貧血症の人は
ひかえたほうがいいでしょう。
◆柿なますの作り方
大根の皮をむいておろし金でおろし、さっと汁をしぼってボールに入れる。
干し柿はヘタをとり、表面をぬれぶきんで拭いてから細かく切る。
切った干し柿、砂糖、酢、塩を1に入れ、混ぜる。
味がなじむまで、一晩おいておく。
干し柿の甘さが出てきたら食べ頃。
※昔は、大根は粗めにおろすことが多かったようである。